夏の結婚式には、夏用のお着物を着るべきか?選び方で迷う方も多いと思います。いくつかの考え方をまとめてみましたので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
1.夏用の着物とは
2.写真映えを考える
3.縁起を担ぐ
4.時代背景による違い
5.その他の事情
6.選び方・考え方のまとめ
夏用の着物とは
布の織り方・・・フォーマルでは「絽(ろ)」という、透け感のある織り方の素材がほとんど。(洋服で言うシースルー素材ですね。)下には主に白い襦袢を着て、透け感の涼やかさを楽しむお着物です。
仕立て方・・・裏地を付けずに仕立てた「単衣(ひとえ)」仕立てになります。お尻のあたりだけは透けを防ぐ「居敷当て」を縫い付けたりします。
※「単衣(ひとえ)」に対して、全体に裏地を付け2枚重ねた仕立てのものを「袷(あわせ)」と言います
※素材や仕立て方に関わらず、結婚式には「絵羽根柄」や「紋付」など格調高いものを選びます。
写真映えを考える
夏素材は「透ける」ために、色の印象が鈍ります。特に艶やかでありたい花嫁衣裳や黒留袖などは「色映りの良さ・黒の締まり」を優先して、夏素材を避ける事が多いようです。
縁起を担ぐ
昔から祝い事が「重なる」ように願いを込めて2枚重ねた仕立ての「袷」を着る、という考えがありました。特にご年配の方の中には「祝いの席には単衣仕立ての夏物ではなく、袷を着るもの」とお考えの方がいらっしゃるようです。
なお、帯の結び方を一重のお太鼓結びではなく「二重太鼓」に結ぶのも縁起の良さを意識してのことです。
時代背景による違い
むかし冷房設備が整っていない時代には「結婚式は夏は避ける」ものでした。そのため、夏着物での結婚式というイメージがあまり定着していない、という面もあるようです。
現在では、ジューンブライドが流行ったり、冷房完備の結婚式場が夏場も挙式を促進しているため、四季を問わず挙式されるようになりましたね。
その他の事情
近年では、ご自分のお着物でも、レンタル店でも、夏素材のフォーマル着物が揃っていない事が多いため、夏でも夏物が無いから「袷」の着物を着る、というケースも多いようです。
選び方・考え方のまとめ
以上の参考情報を踏まえて、以下のいずれかを優先させてお選びになると良いでしょう。
【1】新郎新婦やご親族と合わせる
特に新郎新婦に近しいご親族の場合は「他のご親族と合わせる」のも重要です。直接聞けない場合は、その式場がどんな衣裳を揃えているかを聞くのも参考になります。
【2】写真映え・縁起の良さを優先して「袷」を着る
【3】季節感を優先。見た目に涼やかな(実際も涼しい)「夏素材」を着る
特に遠いご親戚やご友人など、留袖ではなく訪問着で大丈夫という方は、夏の結婚式には、夏らしい涼やかな素材の訪問着と帯(結び方は二重太鼓)を選ばれてはいかがでしょうか。